長年配送の仕事を行ってきて様々な経験をしてきました。
そんな私達だからこそ見えてきた
配送の現場で良く起こる『あるある!』な内容や『運送業×〇〇』といった内容を載せていきたいと思います!
弊社の代表である小林と20年間務めているシステム課課長との対談になっています。

是非、楽しんで読んでもらえたらと思います。

目次

◆運送業×方向音痴
◆運送業×震災
◆運送業×運び方
◆運送業×コミュニケーション
◆運送業×Wワーク

運送業×方向音痴

2022年3月27日投稿

高野(以下:高)「実は僕、運送業の会社に入る前すごく方向音痴でした」

小林(以下:小)「そうそう、高野さんはそれを克服した人だよね」

高「今も方向音痴は継続しているのですが、運転してどこかに行くことを恐れなくなりました」

小「それは…?」

高「方向音痴だと地図や道を理解して進むことができないので、迷ったらどうしようという不安や恐怖があるんです。
だから外に出るのが嫌だなって思ってしまっていたんです。
でも運送業をして、運転することに慣れてそれがなくなりました。
Googleマップやナビさえあれば運転してどこへでも行けると気持ちが楽になりました。『なんとかなるんだ!』って」

小「なるほど。方向音痴な人の地図の読み方って、文字の「あ」を逆さまにして読もうとしているのと一緒なんだよね。
北は絶対上にあるものなのに、地図を回転させてしまうから、自分の場所がわからなくなってしまう。
自分の脳を地図に合わせるんじゃなくて、地図を自分の脳に合わせようとするから混乱しちゃうし、地理も覚えられない」

高「そうなんですよね」

小「僕、Googleマップの“自分を中心にマップが動く機能“を少しの間使っていた時があったの。
その時は道がまったく覚えられなくて設定を変えたね。あとスタッフには『迷ったら太陽を見ろ!』って言ってる(笑)。
太陽は絶対東から登って西に沈むから、そこで自分がいる場所やどの方向に向かっているか判断して!って」

高「僕も小林社長にそれを言われて、実践したエピソードがあります」

小「ほう!そうなの?!」

高「その日は朝から配送がたくさんあって、すごく急いでいたんです。高速道路にのってしばらく運転していました。
ふと太陽を見たら『あれ…?太陽の位置が違う…』と思って、一旦高速道路を降りたら、逆方向の道路に乗ってしまっていたんです。
『ああ…やっぱり違ったんだ』って思いました。急いでいたので間違ってしまっていたんです」

小「しっかり実践しているんだね(笑)」

高「そうなんです、小林社長の助言を思い出して、ちゃんと気が付くことができました」

小「東西南北がしっかりわかれば、遭難しても生き延びていけそうだよね(笑)」

高「あと方向音痴の恐怖を克服したことによって、仕事で通ったところにプライベートで行きたいな~って思えるようになりました」

小「それは運送業あるあるだよね。今は仕事だから立ち寄れないけど、次の休みに行ってみようかなって思うのとか」

高「やっぱり方向音痴の恐怖があると、そういうところを通ったとしても諦めてしまっていたんですよね。
それがさっき言ったように『ナビがあるから行けるな』という気軽に考えられるようになりました」

小「前向きに考えられるようになってよかった」

運送業×震災

2022年4月21日投稿

高野(以下:高)「運送業をやっていて思いもよらぬメリットを感じたことがあって…。
事故などで渋滞にハマってしまった時でも、配送でいろんな道を知るになってから、回避できるようになりました」

小林(以下:小)「そうだよね。僕は東日本大震災の時によくわかった。
当時、フジテレビ近くへ配送に行っていて地震が起こったんだ。はじめはすごく強い風が吹いてきたのかと思ったよ。
そしたらラジオのDJさんがすごくあわてていて、これは風じゃないと思って外に出たら揺れていたんだよね。」

高「あの時、スマホの震災警報機能がなかったですもんね」

小「それであの時は、お客様に届けることは問題なくできたんだけど、
会社に帰る時に、いつもならすぐに通過できる道も渋滞して同じ場所に20分拘束される状態になってしまったんだよね。
たしかあの時は火災も起きていて、都内はパニックになっていた。埼玉県にある会社まで約2時間で帰れるはずなのに…。
『これはまいったな』って思ったの」

高「はい、そうでした。会社内もパニックでした」

小「その時たまたま乗用車で配送していたこともあって『これはナビでも案内されない細い道でも行けるな』って思って別の道を進んでいくことにしたの。
まず自分が東西南北のどこにいるのかということを考えて、その方向に進んで帰っていったら早く帰れたんだよ。
あのままナビ通りに帰っていたら、その日中に帰れなかったかもしれない」

高「はやり社長はよく考えていますね」

小「今はナビの規制がかかったり、精度も上がったりして、変な道を示さなくなったよね」

高「確かに、舗装されていない道を避けてくれたり、一方通行の道もその通りに示したりするようになりましたね」

小「道の選択肢が減って、案内された道に車が集中しやすくなってしまうんだよね。
そこでナビ通りに行こうとした車で渋滞が発生してしまう。
そういう時に日ごろから仕事でいろんな道を通っていると、いざという時にも役にたつんだよね」

高「ドライバーの中にも2種類ありますよね。ナビを頼る人と、自分の頭の中の地図で運転する人。
どちらも良し悪しはありますが、頭の中の地図に頼る人は常にアンテナを張って運転していますよね」

小「すごくいい脳トレになるし、ボケ防止にもなるかもね(笑)」

高「そうですよね。僕たちが子供のころはスマホなんてなかったですし、
携帯電話も誰でも持てるモノではなかったので、道の記憶もハプニングも全部自分で何とかしていましたよね。
今だと何にも用意しなくても、その場所にいけちゃいますからね。いざという時に『どうしよう』ってなりますね」

小「そうすると運送業って、本当に頭も使うし身体も使うし…いろんなところが鍛えられる仕事だと思うよ」

運送業×運び方

2022年4月21日投稿

高野(以下:高)「運送業ってただのトラック運転だけじゃなくて、現場に到着したら室内まで運びますよね。
結構、何個も運ぶ時、大きな荷物を運ぶ時ってどう運んだら疲れないかを、割とじっくり考えながら運びますよね」

小林(以下:小)「このように運べば楽だよっていう運び方あるよね。
オフィスにあるロッカーなんかも、うちにいる僕と一回りも違う60代のスタッフは、2階まで一人で担いでいくからね。
やっぱりコツを知っているんだよね。どうしたら身体に負担をかけずに運べるか」

高「そうですよね。すごいなって思います。
重いものを2人で2階に運ぶ時でも、下の人と上の人の力のかけ方や支え方、どこを軸にして持てばいいかなどそれぞれ違いますよね」

小「そうそう。それを知っているだけでも、往復5回しか運べなかったモノを、10回も20回も運べたりするんだよね」

高「本当にそう思います」

小「実は運び方を知っているって、いざという時にすごく役に立つと思うんだ。例えば震災の時。
うちの会社は運よく大きな被害はなかったけど、関東でも建物の被害はないけど屋内がぐちゃぐちゃになってしまったところもあったよね」

高「うちの場合、事務所は大丈夫でしたけど、倉庫の中の商品が少し崩れましたよね。
でもそれもちゃちゃっと片づけられるくらいの被害でした」

小「モノの片づけは同じことの繰り返しじゃない?いろんなものを同じ方向に運んでいくみたいな。
そういう“いざ“という時でも長時間対応できるように割と自然と考えながらやっているよね」

高「たしかに。“いざ“そういう場面に出くわしたとしても、ずっと運ぶ作業ができると思います」

小「あと、人が倒れた場合でも、動かしてよい状況であれば安全なところに動かす程度のことはすぐに一人でもできると思う。
何かモノを持つっていうのって、すごく単純作業だけど、生活のあらゆるところで生まれてくるから思っている以上に大事なことなんだよね」

高「そうですよね」

小「それと、メンタル面でも鍛えられてくる。
この仕事になって地味な単純作業を当たり前のようにやっているから、
絶対に終わらないって思って途方に暮れてしまう量を運ぶことになっても集中してすることができるようになる。
僕の場合は頭の中で別のことに置き換えてやっている。
例えば、『筋トレだ!』『あの人には負けないぞ』とか。気持ちを別の方向に向かわせてやったりしていると、たくさん積まれたモノもすぐに片付くんだよね」

高「小林社長、仕事の時そう考えていたんですね(笑)」

小「より一層やる気がでてくるよね。僕はこの方法だけど、他のスタッフは別のことを考えてやっていたりしていると思う。
あるいは別の方法とか。そのようにして、ずっと作業ができるメンタルも、
運送業をやっていると自然と身につくんだと思う。そういうメリットも運送業ならではだと思うよ」

運送業×コミュニケーション

2022年6月24日投稿

小林(以下:小)「今、日本でもリモートワークが導入されて、コロナ対策や働き方の多様化としては良いのですが、
徐々に『社会の分断』『コミュニケーション不足』が叫ばれてきています。
しかしこれは、運送業にとっては昔からある悩みだったんですよね」

ライター(以下:ラ)「そうなんですか?それはやはり、ドライバーはひとりで仕事をこなすからですか?」

小「そうです。朝礼をしたら、一人で仕事をするので、あとは自分勝手でいい、自分勝手に動けるっていう…。
でも、運送業にもチームワークが必要なので、そういうところが問題でした。

でも最近、このように情勢が変わって、リモートワークという方法も入ってきた時に、
リモートワークをより研究していけば改善できるんじゃないかなって思ってきました。」

ラ「なるほど」

小「それでうちが導入し始めたのが、ドライブレコーダーやデジタルタコメーター、タブレットです。
それらをトラックに搭載することによって、仕事をしっかりと時間通りにこなせているか、安全に運転できているか、
トラブルがあっても対応できているかがわかってきます。

もしできていなかった場合、その時のデータや映像を見て、原因を追究できるようになっています。
『見えないところをどう見えるようにするか』。それを解決するための投資なら、惜しまずに取り入れていきます」

ラ「確かにテクノロジーを入れることによって、スタッフの動きがよく見えるようになりますし、達成率もわかってきます。
トラブルにも対応しやすくなりますよね。

でも、業務達成のための働きとして、リモートワークやテクノロジーを使うのは良いかもしれませんが、
リモートを使うシーンって必要最低限のことしか話さずに終わってしまい、コミュニケーション不足になってしまいがちではないですか?」

 

小「そうなんです。なので、弊社では朝礼や雑談の時間を意図的に入れるようにしました。
まーだいたいは愚痴やボヤキなんですが(笑)

5分でも10分でもスタッフ同士で顔を合わせて話しをして…っていうのをやっています。
ドライバーはもちろん、事務のスタッフもひとりで仕事をしています。

ひとりの時間が多いと何かと悪いことを考えがちになるのが人間です。
5分や10分、顔を合わせて話すことで、スタッフ同士の人となりがわかりますし、気持ちが楽になりますよね。
あと、居心地のよい環境も作れているのかなと思います」

ラ「なるほど。アナログな雑談やコミュニケーション、デジタルでの仕事の管理。
それをバランスよく取り入れて株式会社セイリョウがより働きやすく実績も残せる会社になっているんですね」

運送業×Wワーク

2023年8月9日掲載

小林(以下:小)「最近、Wワーク希望の人が多くなってきたね」

高野(以下:高)「そうですね。運送業の2024年問題が出てきてから多いですね」

小「そうだね。本当は長時間働きたいっていう人もいるんだよね。

株式会社セイリョウだと10名いるよね。他でも働いてうちで1日5時間のみ働くという人とか。

まだまだ問い合わせは来ているね」

高「そうですね。他企業ではなかなかない状態だと思います。

シフト制というか…コンビニの働き方のような感じになっています」

小「これね、他企業だとそういう管理がなかなかできないと思う。

運送業あるあるで、
運送業界はどうしても同じ企業で長時間運転しないといけないという考えが固まっているんだよね。

そして1人1台のトラックを与えて、自分の車にさせてしまう。

うちの場合は、スタッフによって固定している車はいくつかあるけど、
基本車は共有して使うことを徹底している。

そしてメンテナンスもみんなでしっかりやっている。

そうすることによって、これは誰かのトラックだから、
その人しかメンテナンス担当という思考にならないから、メンテナンスを怠ることもないよね」

高「与えられたトラックを華やかにしてデコトラにしてしまうのも、
1人1台トラックを与える文化からですよね」

小「そうそう。この前、Wワーカーのスタッフから聞いたけど、
他のところはトラックの点検はほぼしていないって言っていたね。

そういうトラック管理のマネージメント、シフトのマネージメントをすることによって、
1人1台のトラックを持たせなくてもいいということもわかってくる。

弊社はそういうことが事務所を主体にしてできてきているね」

高「そうですね。みんなでやっていきましょうっていう雰囲気になっていますね」

小「僕も他のところで勉強して、なるほどと思ったことが“職人は作らず、
技術者をつくる”ということ。株式会社セイリョウはそうなってきているね。

職人は頑なに自分の技術にこだわっているイメージ。

でも技術者はオールマイティできるイメージ。
まさにうちはそういうスタッフが多くなってきていると思う」

高「技術に突出しているというよりも、協力や協調など、気持ちの面でつながっている人が多いですね」

小「チームワークを重要視してくれる人が多いよね。

だからリレー方式での配送ができるんだよね。

そのリレーの中にWワーカーを入れてバトンを回せるようになっているのも、
株式会社セイリョウの強みだなと思う」

高「そうですね。それにそのリレーの走者時間が明確なので、
そういう意味でも、Wワーカーさんが来やすいのかもしれませんね。

4時~9時、9時~13時、13時~17時/18時と。

これがいいのかなと思います」

小「まだ会社が整っていない時は、
時間が見えない働き方をしていたので、長時間労働が当たり前だったよね。

だからそういう時間が見えない業務は断るようになった。

そのおかげで人が欲しい時間帯を明確に認知できるようになったね」

高「しかもうちで採用している人は、
Wワークの場合は運送業をやっている人なので、
即戦力になるから頼もしいですよね」

小「やっぱり業界の理を知っているから、動画の研修を事前に見てもらって、
さらに復習でもう1回動画を見るという流れだけで、
完璧にできてしまうから、研修で発生する人為不足も補える」

高「本当にありがたいと思います」